試験に合格しても就職先がない

 公認会計士試験に合格はしたが、気分はダウナー。

 理由は内定がないから。公認会計士試験に合格したところでいったいどうしたという話である。公認会計士になるにはこの後2年間の実務について、補修所に通って終了考査に合格しないといけない。会計士試験に合格したところで、監査法人に就職できなければほとんど公認会計士になることができないという現実が目の前にある。

 今回の試験、合格率は8%という厳しいものであったというけれども、岡山TAC校でいえば論文式試験を受けた人の半数以上が合格していたりする。本当にそんなに難しかったのだろうかと疑問にすら思ってしまう。

 試験に合格したものの監査法人に就職ができない人は1000人に上る可能性があるという。過年度合格者も含まれてでの数字だとは思うが、それでも現実は厳しい。

 しかし厳しいのは監査法人だけではない。大学生の一般企業への内定状況に目を向けると、こちらも相当に厳しい現実があるようだ。

 日経電子版で「個性が見えづらい」という話を見た。ここに私は内定がもらえない理由を垣間見た気がした。

 きっと「本当は働きたくなんかないんだけど、働かなきゃいけない。どうせ働くならいいとこに行きたいけど、本当は俺は働きたくないんだ」という気持ちが見え見えでダメなんじゃないだろうかと。

 自分が採用する立場であると仮定して考えると、必要なのは「この人を採用したらうちの会社はどうなるのか。この人はうちの会社に入ったらどういう仕事をしてくれるのか」というイメージが見えないと、よほど能力に魅力がなければ採用には至らないだろう。

 だから書類で落ちるとか、面接で落ちるとか言うのは自分の働く姿のビジョンが伝わらないからなのではないだろうかと考えたのである。そう考えれば自ずとエントリーシートや履歴書も埋まっていくものである。ちょっぴりやる気が出てきた。

 内定がもらえなくて自分はダメな人間なのであると凹んでいたが、凹んだところで現実は変わらない。ならばとにかく行動あるのみ。