勘違いしてはいけない

 例えば誰かが私のほっぺたを叩いたとして。

 これを「本日夕方18時30分頃、幻一郎さんが○○さんに左頬を殴られました」と言ったらこれは事実であるのだろうか。

 私が殴られたと思っていれば私にとっては事実であろう。しかし、相手にとってみて、ちょっとふざけて突っ込みをいれるつもりで軽く叩いただけだとしたら、これは相手にとって事実とは異なることである。

 くらコーポレーション TBS「News23クロス」での放映について

 これは最初に知ったのはTwitterで話題になっているというのを見たときだ。確かこのblogにもそのツイートの存在について言及した記憶がある。

 そもそも事実を事実として伝えるというのは殊の外難しいことである。そこに当事者の主観がどうしても入ってしまうから。

 そしてその主観の入った情報を、これまた主観的な解釈を行って報道をするものだからこのようなことになる。

 TBSの放送がどのようなものだったのかは見ていないので把握していない。しかしこの文章を読んだところ、くらコーポレーションの言い分に正当性があるように思える。

 そもそも私自身がマスコミに対して偏見を持っているので、企業の肩を持ちたいというだけの話でもある。また同じ研修ではないけれども、前職において内定者研修を受けた経験から言わせてもらえば、内定辞退した学生がお客様気分で臨んでいただけであろうと思える。

 これはこの学生だけの問題ではなく、私自身も抱えている問題である。会計士の合格発表前就職活動において、なぜ内定がもらえなかったかといえば、このお客様根性にあったと思えるからだ。

 そもそも企業に就職するということは、自らリスクをとることをせず、労働力を提供することを対価としておこぼれに預かろうということである。私が労働力を提供しているからこの会社は儲けを出しているんだと、そのような考え方自体が間違っている。

 会社からすればこのような人間は役に立つどころか足手まといである。社員は部品でしかない。使い捨てのコマのように扱われる。それが当たり前なのだ。

 しかしそのような扱いをすると、人はすぐ辞めて行くのでノウハウが蓄積されない。そうするとビジネスとして高度なことができず、誰がやってもいいような仕事しかすることができない。だからそれを感じさせないために、労働環境をよくして優秀な人材を集める。

 決して会社は自分のためにあるわけではない。自分は労働力を提供するのであって、会社に保護してもらうために就職をするわけではない。そこのところを勘違いしてはいけない。