思いやり

 中学生がホームレスに熱湯をかけて逮捕されたという事件。その行為自体も嘆かわしいものであるが、それに拍車をかけて中学生のコメントが嘆かわしい。

 「やりすぎた」

 本当かどうかは分からないけれども、石を投げる程度にしていればよかったと言っていたらしい。相手を人間だと思っていないのだろうか。

 もっとも自分も人のことを言えたものではない。実際に行動に移さないだけであって、人としてみていないことは事実だ。

 このニュースから、嘆かわしいとか世も末だとか思うところは似通ってはいるのだろうけれども。では、自分は一体どうしたらいいのだろうか。そんなことしてはいけませんと注意する? 注意するようにしようと思うことは簡単だけど、実際に行動に移せるか?

 そもそも自分の行動で何とかできると思うこと自体がおこがましいのかもしれない。話せば分かり合えるというのは単なる幻想なのではないのか。そうであるならば、日中問題など問題となりえるはずがないのだから。

 決して何をしようと無駄であるというわけではない。自分の身近な人たち、友人、子供。そういった人たちがそのような行動をしようとしていたら、注意して止めるよう行動するべきであろう。自分に子供ができたとしたら、将来そんな子供になって欲しくはない。そう思うことが大事だろう。

 ただ、それを赤の他人にまで拡大させるのは無謀としか言えない。昔は見ず知らずの人でも叱っていたとかいうけれども。今は今であり、昔とは違うのだ。何でもかんでも他人のマナーに口を出して正せばよいというものでもなくなってしまった。

 このニュースは、自分の子供をどう育てて行けばいいのだろうと考えるきっかけとして大事な意味を持つように思える。