現状分析

 やっぱり落ちてた。新日本は雰囲気的がいいと思っていただけにショックは大きい。

 たった3社ではあるがどれも一次選考で落ちているわけだから、自分はもうだめな人間なんじゃないかとさえ思えてきた。最初の2つは東京行かなくてすんで逆に楽になった、雰囲気が合いそうにないからどうでもいいという理由をつけて気にしなかったが、今回はそうも行かない。

 そんな感じでしばらく破棄のない生活をしていたのだが、ふと思ったのである。

 なぜこの時期に、会計士試験の合格発表前に就職活動をするのか。これまで受験生の立場でしか考えなかったが、逆に監査法人の立場から考えてみた。あくまで想像でしかないが。

 合格発表前に内定を出すことに何かメリットがあるのだろうか。いくら優秀な人間であろうとも、試験に合格していなければ採用する意味がない。なぜ合格しているかどうかも分からない人間に予め内定を出すのか。そのメリットは、どこにも取られたくないという人材を確保しておくことにあるのではないだろうか。

 要するに10点満点中10点の人間に内定を出すのだ。8点とかだと優秀そうだと思えるけれども、そうではないオンリーワンの人材を確保しておきたいのではないだろうか。いい感じではあるけれども他の人でもいいような人材であれば、わざわざこの時期に内定を出さなくとも、合格発表後に合格者で埋め合わせれば済む話なのだ。だからこそこの時期に、比較的時間に余裕のある時期にじっくりと10点の人間を選び出すのだ。

 だから面接のときに言いたいことがはっきりしていない人間などとる必要がないのだ。それなりのことが伝わればいいやというような私のような気構えの人間など、合格発表後に埋め合わせればすむのだ。詰まることなくすらすらと、理路整然と語れて当然。そこまでいたっていない人間など内定を出す以前の話なのだ。

 そう考えれば私が一次選考に通らなかったのは納得できる。その場で考えてそれなりのことが言えればいいなんて甘え以外のなにものでもない。それって要するに面接官がこちらの事情を汲んでくれると思っているということだろう。もはやその気構えからして甘すぎる。お前は何様のつもりだと、面接官は笑顔の裏で思っていることだろう。

 志望動機、自己PR、長所・短所などなど。すらすら言えて当たり前なのだ。緊張しているから大目に見てくれなんて社会に出て通用するわけがない。