会計士目指した理由

 3年経った今更会計士を目指したことが正しかったのかどうかなんてことを検証したって仕方がない。ものすごい葛藤の末選び出した道というわけでもなし、勢いで辞めてしまった面もなきにしもあらずだし。それでも……就いていた仕事を辞めてまでなろうと思った理由。それはどう考えても聞かれることだから。それに対する答えを、自分の中で納得のいく形で持っておかなければならないだろう。

 単に仕事が嫌だったというのもあるさ。「こんな仕事やってられっか」という面がなかったわけではない。むしろそれがきっかけだったとも言える。でもそれだけではない。仕事が嫌なら転職という道もあった。過去ログ漁ったら最初は転職する気だったようだし。

 それでも転職を選ばなかった。いや、選べなかったというべきか。2年間働いて、自分は一体何を得たのかを考えた。システム構築・運用の経験があるわけでもなし。プログラムが組めるわけでもなし。転職するにしても有利な資格を持っているわけでもなし。結局同じIT業界に転職するにしてもゼロからのスタートになってしまう。それならば、全く別の業界に飛び込んでいくのも大差ないのではないか。それが視野を広げるきっかけになったのだろう。

 そこで思ったのだ。資格さえ持っていればあぶれることはないであろう士業に挑戦してみることに。税理士、司法書士といろいろある中で、いろいろつぶしが効いて、かつそれなりに困難であり、そして実現可能性がある公認会計士に目がついた。……のだったと思う。

 公認会計士は登録さえすれば税理士業務、司法書士の業務などをすることができる。業務経験なしにすることはできないだろうが、公認会計士の資格があれば、税理士の業務をしようと思ったときに税理士の資格をとる必要がないということが魅力に感じた。あれもこれもやりたい自分にはぴったりな資格ではないのか。

 最難関国家資格の1つに挙げられていたことも大きい。自分の力がどれくらい通用するのか試してみたかった。それでいて、昔やっていた簿記の基礎があるから入りやすかったというのもある。

 今まで何となくで生きてきたが、ここで1度人生の再出発を果たそうと思った。このまま与えられた仕事をこなすだけの人生を歩むのか、それとももっと上部構造に食い込んでいくのか。

 ここでがんばれば180度異なる人生を歩めるのではないか。それがきっかけだったように思う。