対策か押し通るか

 自分のやりたいことをやるために、苦手なところや万が一に備えて対策を打つ。しかし対策を練りはじめると、あれもこれも対策しなくてはとなってしまい、本来やりたかったことが疎かになってしまうという事態に陥ってしまう。それでは本末転倒である。

 かといって対策をまったくとらず、自分のやりたいことを貫くのもある意味では無謀である。そのやりたいことができればいいけれども、何らかの障害に阻まれると何も出来なくなってしまう。それはそれで無謀である。

 両者の配分が難しい。対策に力を入れるとメインの部分に配分される力が相対的に落ちてしまう。また、すべてに対策をとることは採算が合わなくなることも考えられる。ある程度の妥協が必要かもしれない。

 また、ある意味で背水の陣で臨むことも必要なときがある。逃げ道を用意しておくことは大切だが、逃げ道があることに安心して、肝心なところが疎かになってしまっては元も子もない。逃げ道を封じ自分を追い込むことで己の力を限界まで引き出すことも必要である。

 要はどこまで想定してどこまで対策をとるかということだ。想定はできるが対策を諦め挑むという選択もありだろう。ただ、対策が取れる取れないは別にして、想定されうる状況をしっかり考えておく必要はある。何も考えない突撃と、想定した上での背水の陣ではできることにも自ずと開きがあるだろうから。