続ける技術

個人的お勧め度:☆☆☆☆
勉強しなきゃいけないのについ遊んでしまう人へ

 勉強しなくちゃいけないのについつい遊んでしまう。そんな状況を打破するためのヒントがこれにはある。

 続けるのは技術だ。続けたいのに続かない、そんな行動を振り返りなぜ挫折してしまったのかを考える。そして続けられるようにするために、自分に甘くし、オジャマを排除する。続けるコツはたったこれだけ。たったこれだけなのに、これがなかなか奥が深い。

 物事を始めるときはモチベーションが高くてこんなことを考える必要もなくできてしまう。しかし、しばらくするといつの間にかやらなくなってしまっている。続かなくなるのはその行動をすることが負担に感じるからだ。特に最初はモチベーションの高さに任せて大きい目標を設定してしまいがちで、それがやる気の低下によって次第に負担に感じてしまうようになっていく。それを負担に感じなくするためには、やりたいことを習慣付けてしまえばいい。

 習慣付けるには、いきなり10をするのではなく、最初は少しずつ、理想の10分の1からでもいいからそこからクリアしていく。スモールゴールの設定だ。これは自分に甘くして続けたい行動を増やすためのものだ。

 そしてオジャマを排除する。これは続けたい行動を邪魔する要因を減らすということ。ついついテレビを見てしまう、ゲームをしてしまう。最大の手段はテレビを押入れにしまう、ゲームを売り払う。家からその存在自体を消去してしまえばいい。自分の続けたい行動を邪魔できなくしてしまえばいいのだ。しかし、本当にそんなことをすると逆にストレスになってしまって、後々に反動として返ってくる。ダイエットの成功に喜び我慢してたケーキを食べまくったら、ダイエット開始前より太ってしまったという感じに。そこをうまく調整できれば最高だ。例えば、簡単な目標を作ってそれを達成したら思いっきり遊ぶとか。(もっとも、遊ぶ時間を区切るなりしてけじめをつける必要がある。)

 この本にはこれらのヒントが漫画形式でわかりやすく紹介されている。あまりの分かりやすさに、買わずとも本屋で立ち読みするだけでも変えられることもある。実際、私も最初はこの本を立ち読みしただけですませていた。

 しかし定期的に読み返すと新たな発見ができる。時間割の策定なんかも単純だけども結構効果的である。

 私は勉強するときは音楽をかけながらやっている。テンションを上げるためだ。そこで、この音楽を時間配分に活用したりしている。50分程度に曲の長さを調整してその間はとにかく勉強。曲が終わったら休憩時間15分を決めてまた音楽流しながらとにかく遊ぶ。これをループさせてみた。これによって行動のメリハリが効いていていると感じる。

 ただ、この本に書いてあることはあくまでヒントでしかない。この通りにやれば続けられるというものではない。この本で紹介されていることはコツでしかないということには注意が必要だろう。もっとも大事なのは自分の行動を振り返ること。なぜできないのかを思い返してみて対策をたてる。その対策として使える道具のいくつかが紹介されているだけ。

 自分の行動を振り返ってみても、どうしようもなく続けられないというのなら。それはそもそも続けたいことが、自分にとって本当に必要なことなのかを疑ってみた方がいいかもしれない。